前回の更新から、3年。ここが残っていること自体が奇跡に近い。
何か自分が不安定だと書きたくなる自分がいることに気づく。思えばこの3年間住処として地に足をつけて接してきたこの家を語る頃なのかも知れない。 毎日、この家を褒めたり不満をぶつけたりやってきた仲じゃないか。。。 #
by choota
| 2009-01-23 22:11
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宮脇檀の住宅設計テキストというのは結構有名な本なのだろう。(まゆみの漢字が微妙に違うようだが出てこないしAmazonとかでもこれなのでご勘弁を)
他の本から誘導されるようにこの筆者の名前に行き当たったので、その中で一番有名そうな本を購入してみたのがこれである。 建築関係に携わっている方には当たり前もしくは異論はあってもそういう考えもある、というようなものなのだろうが、素人にとっては特に理系な発想の人間には大変わかりやすく何だかすんなり納得してしまういわゆるハウツー本だと思った。ありそうで他や雑誌には無い内容。ひとつひとつ理詰めで考えたい理系としてはこういうのがうれしい。 建築する人はこういうことを頭において設計をするのだろう。どうりで素人が間取りソフトで作ったもしくは単なる建売とは違うわけだ、というのが読み終わった第一印象。 そういう眼で今まで読んできた雑誌の家を眺めてみると、気に入った空間とかにはどこかしらそういう類の理論があることに気付く。明るい家がいいから南側に大きく窓がいっぱいあればいいというわけでもトップライトをやたらつければよいというものでもないし、空間も広ければよいというものではない。 これは到底、素人には無理だな(早く気付けよ・・・)と思った。大きな希望を伝えてそれを理論・経験から実際に住み良い家に変換するのが建築士の仕事なのだ。そういう関係で頼める人であるべきだと意味もなく深くうなずいたのであった。 深い庇、効果的なトップライト、天井高の考え方など、共感できたもののいくつかは設計の中で提案され実現された。設計士と別にこの本の話はしていないのだが同じ視点で家を考えてくれていたのだろう。 今読み返してみると、実際に建った今でこそ意味が理解できたことも多い。それは追々。 嗜好が合わないならしょうがないが、私の場合は家に対するイメージがとても合っていたのでツボに嵌った本だった。 #蛇足ならが、映画「みんなの家」のネタに使われていた内開きの玄関もここに載っている。 まとまりがないが、本の話も今回で一区切り。他に頭に残らなかったもしくは気に入らなかった本も多々あるのだがそれは別の話。 #
by choota
| 2006-01-24 17:58
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年明けなのでせめて近況を。
家を建てようと決めてから約2年、マンション売却、仮住まいから始めてとうとう完成が近づいてきた。正確には既に受け渡しは形式上終わっているのだが、まだ残工事がこちらの都合・あちらの都合合わせてかなり残っている。というわけでまだ完成したという実感はまだまだなのだが。 とは言え、建築士の図面を穴があくほど眺めながら想像していた家が、そして基礎が出来たときはその狭さに不安を隠しきれなかった家が、そのあと柱や壁が出来て空間として見えてきて、最終的には壁紙や造作家具が加えられて完成に近づく家になったとき、想像以上の空間とそこに身を置く心地よさに素直に本当によかったと思った。 さて、今年はその家をこれから育てていく第一歩となる。Blog的にはなかなか現実に追いついていかないが、この家造りの記憶を留めるべく忘却の彼方にならぬよう、初心に帰りきちんと記しておかねばと、新年に思うのであった。 本年もよろしくお願い致します。 #
by choota
| 2006-01-09 20:24
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前回紹介した「間取りがよい小住宅を作りたい」の中で大きく印象に残ったのが3つ。
1つ目は以前に話題にした堀部安嗣の作品。決して派手ではなく奇をてらった仕掛けもないのだが、部分のひとつひとつがよくできている(としか表現できないのが情けない)。木の使い方や間取りの考え方などがとても自分に合っている気がした。所謂、惚れたというやつか。特に光の取り入れ方や木を使うバランスや色合い、決して広いとか窓が大きいとかいうものでなくどちらかというと禁欲の中で落ち着く解というのもあるのだと思った。 2つ目は益子義弘の築ウン十年というもの。家は使い込んでどんどんよくなるものなのだ、と思わせたきっかけになった。そう言えばハウスメーカーやマンションなどでは考えられないのはこういうところではないのか。出来た瞬間がピークでなく、その後の家の変化と共に味がでてどんどんよくなっていく、そういう家が欲しいと思った。 結果的に上記2点に家作りの方向性が行ったことを考えるとめぐり合えてよかった本なのだと思う。そうでなければどこか奥歯にものが挟まったような気持ち悪さが残ったのではないか。 つまり ・小さくてもくつろげる空間、派手でなくても落ち着けて心地よい空間の作り ・住むほどに味が出る家 これらが建てたい家なのだ。 さて、この本の後ろの間取りに関する記事にやたらに「宮脇檀」という名前が出てくる。何やらやたら納得できる理論が載っている。当たり前なのだが間取りにも理論があるのだ。 それにしてもこの人は誰なのか。そうやって、きっと素人が通る定番の本に今更ながら行き着くのであった。 それはまた来年・・・ #
by choota
| 2005-12-31 20:00
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今思うと家造りの方向性を考える上に影響を受けたと思える本がいくつかある。
何となく最初の頃は前出の「新しい住まいの設計」を眺めたり、ハウスメーカーのパンフレットを眺めてたりしながら、イメージを膨らませていた。その頃は漠然と当時ちょうどハウスメーカーでも流行りだした「シンプルモダン」と言われる商品のテイストが好きだった。ミサワとかエス・バイ・エルとかそういうやつだ。吹き抜けリビング、リビング階段、ロフト、中庭などのキーワードとシンプルな外観の商品。でも、それらが狭小住宅としてどんなものになるのか実感できる場はなかった。展示場には大きな住宅しかないわけで。 そんな中、写真からイメージしているものと現実のギャップが大きくあることに気付かされた出来事が、上記のようなハウスメーカーの建売前提にしたモデルハウスへの見学。パンフレットと全く同じ間取りであったものだが、全く印象が異なる。パンフレットではオープンで広く見えた白くて開放的なリビングが、実際は落ち着かなくて寒々しい印象に写った。またそんなにシンプルでもモダンでもなくちょっと素材と色合いと間取りを変えただけの住宅、そんな失望感を持った。 そんな時期にたまたま手にとって購入した本が「間取りがよい小住宅を作りたい―小さな家のアイディア集」(世界文化社)。そうそう、日本の住宅というのはこういうものなのだ、という地味だが王道の作品が載っている。何だかとても安心する家達である。あのモデルハウスでの落ち着かないものとは対照にあるような家。 今思うとこの本で受けた印象が今の家造りに求めるものの原点になっている気がする。 具体的にこの本で印象に残ったものは、また次回に。 #
by choota
| 2005-12-11 14:10
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